ERA(子宮内膜着床能検査)について

着床と子宮内膜着床能(ERA)検査

受精卵は胚盤胞に到達後、子宮内膜に接着し、内膜の奥深く(間質)へ浸潤していきます。やがて胚全体が内膜につつまれ、絨毛という根を内膜全体に張りめぐらせていきます。この一連の現象を「着床」と呼びますが、胚はどのような子宮内膜にも着床できるわけではありません。

着床に至る過程で最も重要なことは、「子宮内膜が胚受容能を獲得すること」と考えられています。子宮内膜が胚受容能を獲得するためには、女性ホルモンと黄体ホルモンの作用が不可欠であり、両ホルモンの相互作用により、「着床の窓(着床ウィンドウ、implantation window:IW)」が開きます。この着床の窓は、排卵日を0日として排卵後7±2日と想定されており、正常な胚であってもこの着床の窓を外れて子宮内膜に接着した場合には、妊娠は成立しないか、極めて初期の流産(生化学的妊娠)となってしまう可能性が指摘されています。ただし、着床が成立するためには着床の窓以外にも、子宮内膜の接着因子や、胚シグナル(胚が分泌する液性因子)、NK(ナチュラルキラー)細胞をはじめとする免疫細胞の関与も示唆されています。


子宮内膜着床能(Endometrial Receptivity Analysis:以下ERA)検査とは、2013年にスペインの研究グループが提唱し、胚移植の時期と着床のタイミングが合っているかどうかを評価する目的で開発された検査法です。まず、胚移植の模擬周期を計画した後に、胚移植を行うタイミングで子宮内膜そのものを機械的に採取します。採取された子宮内膜に対して着床能に関連する236個の遺伝子の発現レベルを解析することで、模擬周期で子宮内膜を採取した時期が着床の受容期(Receptive)なのか、または非受容期(Non-Receptive)なのかを判定する検査です。

子宮内膜日付診との違い

従来から行われてきた子宮内膜日付診は、排卵後5-6日目で子宮内膜を生検(一部採取)し、顕微鏡下で観察した子宮内膜組織の特性から(子宮内膜の)排卵後の日数を推定する検査で、観察者によって多少の誤差があり、再現性がやや乏しい主観的な検査でした。もちろん今までも、排卵時期と組織学的所見との不一致から、胚移植を行う時期を修正するという手法で、反復して着床しない患者様に対して当院では一定の効果をあげてきました。しかし、再現性の問題や、自然周期の場合には、排卵までの日数の違いなど周期による変動が予想される点などで、その有用性には限界があると考えられます。一方、ホルモン補充周期にERA検査を行うことで、胚移植周期とほぼ同一条件下で子宮内膜に発現している着床能に関与する遺伝子を解析することができるため、高い再現性をもって患者様個人の着床可能時期を推定できると考えられます。

ERA検査の方法

  • 子宮内膜生検

    ERA検査法は当院のプロトコールに従い、移植時期に相当する日に子宮内膜組織を専用の器具(ピペール)を用いて採取します。


 

  • 着床の受容期(Receptive)、非受容期(Non-Receptive)の判定

    採取した内膜はアイジェノミクス社で子宮内膜の着床能に関連する236個の遺伝子の発現レベルを解析し、採取した時期が実際に着床の受容期(Receptive)なのか、または非受容期(Non-Receptive)なのかを判定します。その結果、子宮内膜が受容期であると判断された場合には、着床のタイミングとのずれはないと判定し、従来のプロトコールに基づいた移植を継続して行います。もし、子宮内膜が非受容期であると判断された場合には、①受容期との具体的な時間的ずれが指摘されていれば、その結果をもとに胚移植の時期を受容期にあたるように設定、②非受容期という結果で受容期との時間的ずれが不明であれば 再度 異なるプロトコールでERA検査を行う、のいずれかで胚移植の準備をすすめていきます。

子宮内膜着床能(ERA)検査の適応

この検査は比較的良好胚を複数回にわたり胚移植を行っても、反復して全く着床しない、または生化学的妊娠を繰り返す患者様を対象としています。

特に、ERA検査が推奨される方は、

① 当院で胚盤胞を凍結保存されている方
② 子宮の形状が専用の内膜採取器具(ピペール)の挿入可能な方
(子宮頚部~体部に過度の屈曲があるなどピペールでの内膜採取が困難な方は、予定していた場合でもERA検査が受けられない場合があります。)
③ ホルモン補充周期(女性ホルモン製剤を使用して内膜を肥厚させる周期)が適している方

ERA検査における留意点

① あくまでも最適な移植時期を設定するための検査であって、胚やその他の因子によってはERA検査を行ったとしても、必ずしも妊娠・着床できるとは限りません。
② ERAを実施する周期は、胚移植は実施できません。
③ 検査結果が出るまでに、2~3週間かかります。

検査費用

① 費用は初回12万円(税別)になります。
② 2回目は10万円(税別)となります。

ERAを特許下に実施しているスペインのigenomix社の日本語ウェブサイトはこちらから

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